はじまりは、自分が欲しかったから。
世の中に「ジッパープル」なるものがあると分かったのは、コロナ禍の折でした。これは便利だろうと買ってみたものの、困ったのがバリエーションの少なさでした。
黒一色は目立たず良いのですが、装着するモノによっては視認性が悪く結局引き手を探すはめに。
そこで感じたのは「目視するなら色の付いてる方が便利ではないか」という点です。
ツートンカラーである意味
とは言え、紐もヘッド部も真っ赤っか!これはさすがに派手すぎて、用途が限られます。じゃあ無いなら作っちゃうか。という個人的な思いから始まったのが今回の製品です。
せっかく自社で開発するなら、自分が欲しいものを創ろう。人にあげて喜ばれるものを創ろう。ただその熱量からスタートしました。
ということで、私的な感覚に従ってナイロンコードは黒、目立つべきはヘッドの樹脂部分、と決めました。ヘッドのカラーリングがアクセントになるからです。
これは機能美。
使い勝手も良くなるし、お洒落だろうと。ただしせっかく作るからには色覚異常でも見分けが付くよう、ローンチの3色は明度を変えてみました。まずは最も明度の低いボルドーから始まり、オレンジ、グリーンと明るく仕立てています。
片手でちぎれるプルにしない
次に強度のための紐幅選定。
既存品は、この要素が本当に酷い。紐素材にナイロンコードが用いられているのはジッパープル共通です。
いかんせん細い。販売元は言及しませんが、閉めづらいジッパーにつけた場合、片手で引っ張るだけでちぎれるものがちらほら。ここでひとまず強度調査に入ったところ、およそ2~3kg程度で限界を迎えるものが多かったのです。
紐幅 1.2~1.5mmだとファスナー補助としては心許ないと分かりました。
当然、引き手の穴に通しやすいというメリットはあります。ただし、弊社で作りたかったのは「視認しやすい色」であり「開閉しやすい補助の役割」です。
ということで工場との渉外にあたり「紐幅を何mmまで太くできるか」を探った結果、3カ月かけて紐幅 2.0mmへと決定。耐荷重試験 4.5kgをクリアしています。
Amazon専売の理由
これは単純に認知度の観点で選びました。
Amazonではマーケットプレイス、つまり「販売元」として出店することができます。ところがジッパープルという商品の大半は、日本の企業が販売元ではありません。
梱包も検品もすべて向こう側で行い、日本のAmazon倉庫に送られています。それゆえ不良品が混ざったまま。というケースが多く見受けられました。この「質のちがい」を明らかにする意味でも、最適な出店場所だと判断したまでです。
今後の展開
ソーシャルメディア X (旧Twitter)とAmazonのレビュー欄で、希望のカラーをお聞きしています。
今後は、カラーや素材のバリエーションを増やしていきます。「落ち着いた色」「より視認しやすい素材」など、ありがたいことに、多数のお声をいただいています。
既に新色の制作には取りかかっています。販売の際は、fuyumo トップページでご案内します。